みんなに伝えたいホントの話vsウソの話
ホントの話
        (北海道新聞朝刊2002年4月9日)より
  暮らしの中の性教育 エイズ(8) 安達 倭雅子
                      
(″人間と性″教育研究協議会幹事・東京)

 どんなにコンドームの使い方を勉強していても、あるいはどんなにコンドームを使うことが大切だと分かっていても、実際の場で使えなければ、エイズ予防の役には立ちません。
 私は若い人たちには、こう伝えます。まず、二人の間で、避妊や性感染症、コンドームについて話せない、とてもそんな恥ずかしいことを話題にできないというのなら、まだ性交するような仲ではないと思ってください。
 もし、男の子がコンドームや性感染症のことを話題にしたら、あなたはその男の子を「ヘンな子」とか「不良」なんて思わずに、「しっかりしたまじめな子」だと考えてください。
 もし、女の子がコンドームや性感染症、エイズのことを話題にしたら、「場数を踏んでるのかな」なんて下品な想像をしないで「何て聡明な素晴らしい女の子だろ」と思えるように感性を磨いてください。

 
そう考えられる人にしか、エイズウイルス(HIV)から命を守ることができない時代が来ているのです。

 学校の先生の中にもまだ、「生徒にコンドームの話なんかしたら、もうセックスを勧めたのと同じことせすよ」などとおっしゃる方がいらっしゃいます。私は、そんなとき、「先生ご自身がもし生徒さんの年齢だったとして、エイ
ズ予防のためにコンドームの勉強をしたら、すぐに性交をなさいますか」と尋ねます。
 先生方はたいてい、「とんでもない。それはそれ、これはこれ、そのくらいわきまえていますよ。すぐになんてあるはずないです」と、躍起になって答えられます。
 私は「先生の生徒さんだって同じだと思いませんか。生徒さんを信用してください。しかし同時に彼らが、すでに性交する能力を持っていることにも謙虚になってください。二つの考え方は、子どもをはぐくむとか、教育するという場では矛盾しないと思います」と申し上げています.
 「大変です。高校生の娘がコンドームを持っていました。どうしましょう。心配で」とおっしゃるお母さんには、「コンドームは持っていない方が心配とも言えますよ。良かったですね」と、申し上げるようにしています。

*この安達さんの連載は、ずっと興味深く拝読しています。同性愛者の方の人権問題など、自分でも加害者になっていたことがあったようで(からかいなど)、反省しました。コンドームをはじめ避妊についての話もできないような間柄じゃあ、性交する関係には程遠いでしょうね。(中谷)
小学校の性教育の資料から(おとなへのライセンセス・今船出する君へ・おとうさんのアドバイス)
                     斗夢書房より 医学監修・菅本十三 著・佐賀そおた
勃起は、ペニスの準備体操
 いままで柔らかくぶら下がっていたペニスが「かたく,大きくなった」ということはないかな?ペニスがかたく大きくなることを「勃起」というんだよ。手で触ったり,机の端に触れたり、女の人のヌード写真を見たりしたときなどに起こるんだ。
 スポンジのようになったいるペニスの中に、腰の内側にある勃起の司令部からの命令によって、血液がどんどん送り込まれる。血液はどんどんたまり、ペニスは硬く大きくなってくる。この時なんとなくくすぐったいような不思議な気持になるんだ。学校なんかで、急に勃起すると、ズボンがテントのように盛りあがって恥ずかしいね。誰にも気づかれなかったらいいのにと思うよね。そんな時は、何か別の事を考えると,ペニスは又もとの大きさに戻ってしまうよ。
 なぜ、勃起なんかするんだろう?これももちろん、大人への準備が始まった証拠のひとつなんだ。大人になって、女の人を愛し、心がひとつになった時、体もひとつにしたいと思う。その時に、ワギナの中へペニスを入れることによってひとつになるんだ。そして、ペニスからワギナへ、赤ちゃんの種(精子)を送りこむんだな。 君に今起きている勃起は、その時のための準備体操だと思えばいいね。
君が「夢精」をした時にも、必ずペニスは勃起しているんだよ。射精はふつう、ペニスが勃起しないと起こらないということだね。でも、勃起したからといって、射精があるとは限らないんだよ。射精がなくてもしばらくすると、またもとの大きさに戻ってしまう事が多いんだ。

脳の「知恵」を働かせた、マスターベーション
 「マスターベーション」という言葉を知っているかな?「オナニー」ともいうが、日本語では「自慰」というんだ。これは、自分の手を性器に触れていい気持になることで、男性はもちろん、女性だってする。男性の場合は、ほとんど、最後には射精をするんだ。
 思春期になった男の子は、ペニスのまわりや、あご、足のすねにも毛が生え始め「のどぼとけ」が出っ張ってきて、「声変わり」が始まる。そして、体つきもごつごつして、男らしくたくましくなってくる。
 女の子は生理が始まり、おっぱいがふっくらみ、おしりが大きくなって、体つきがふっくらとしてくる。そして男の子は女の子を、女の子は男の子を気にし始める。つまり、異性を意識し始めるということだね。
 このころから、男の子のペニスは時々勃起するようになるんだ。そして、その部分が気持良く感じる時があって、こういうことがきっかけで、マスターベーションするようになるんだ。
 マスターベーションについては、いろいろなことが言われているね。たとえば、マスターベーションをすると、頭が悪くなるとか、将来赤ちゃんができなくなるとかね。でも、そんなことは決してないんだ。マスターベーションには、なんの害もないのに、君があれこれと悩んでしまい、そのことが頭から離れなくなってしまうことの方が、ずっと問題だよ。そのために、勉強に身が入らなかったり、消極的な人間になってしまっては、大変だ。
ウソの話
「エイズ治る」と幼女襲う南アフリカ(北海道新聞2001年12月)
[ヨハネスブルク8日共同]
 南アフリカで幼女や少女を狙ったレイプ事件が急増している。「処女とセックスすればエイズが治る」という迷信が背景だが、1歳にも満たない赤ん坊さえ犠牲になり、レイプ犯に対する刑罰として死刑を求める声も上がっている。
 南ア国民を驚かせたのは、10月に発生した生後9か月の女児に対するレイプ事件。6人が逮捕され、公判に際し、日刊紙スターは被告らの顔写真を1面に大きく掲げた。
 また、今月初めには、今度は生後5か月の女児が2人の男にレイプされる事件が発生、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃後に廃止された死刑復活の是非まで議論されるようになった。
 昨年の南アのレイプ発生率は人口10万人当たり120.1件で、世界最悪レベル。エイズをめぐる迷信が状況をさらに悪化せさせており、著名な人権擁護活動家のヘレン・スズマンさんは日刊紙シティズンへ寄稿し「少女や赤ん坊をレイプする男達の多くはエイズウイルス(HIV)感染者であり、言語道断の行為によってそれが治ると信じているのだ」と指摘した。
 世界最多のHIV感染者を抱え、国民の9人に1人が感染しているとされる南アでは、レイプ被害を受けた女の子達がエイズ検査を受けるというやりきれない報道が続いている。

この新聞記事は、大変ショッキングな内容です。自分たちの生活とは、かけ離れていると感じるかもしれませんが、程度の違いはあれ、性に関する迷信は、今現在も私達の周りに存在しています。
例えば、アダルトビデオに代表されるように、『女性には、レイプされたい願望がある』などです。この間違った捉え方が、少なからず、毎日のように今の平和な日本でも起きている婦女暴行につながっていると思います。このような間違った解釈にヤングの方には敏感になってほしい・・・・・。強く願っています。

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